高野町 続き
御影堂

〜御影堂〜

で、こっちが御影堂(みえどう)。宝形造りの木造桧皮葺、七間四面の優美な建造物で、堂内、内々陣に真如親王の奉写された大師御影を奉安し、堂内外陣には十二弟子の肖像を安置している。御廟と共に、山上で最も尊厳を尊ぶお堂。
 雪が降って積もった感じのここは、これ以上ないぐらい幽玄美。圧縮しちゃってるので判りにくいと思うけど、小さい灯明が沢山ついててね雪明かりとぼんやり照らす陰が日本美ですよ。
 ここは空海が生きていた頃は彼の持仏堂だったんだけど入滅してからは、弟子達が空海の遺影(もちろん絵)を飾った事から御影堂と言われるようになったのよ〜(^^ゞ
 高野山のお坊さんからは、実は一番好きだと言われる事が多いのが、この御影堂なのです

■「三鈷(さんこ)の松」

高野山の御影堂(みえどう)の前には「三鈷(さんこ)の松」と呼ばれる松の木がありまして、ここの松の葉は二本の松葉に混じって三本に分かれたものがあり、これには空海が高野山を開かれたことにまつわる不思議なお話があるんですよ(空海論でも書きましたが)

三本の松葉

今から千二百年以上も昔、空海が唐から帰られる時、1本のホウキを授けられたのですが(何故ホウキなのかは不明)、なんと、そのホウキの間から金色に光る「三鈷の杵(しょ)」が出てきたらしいのですよ。「これはありがたい、この三鈷は日本での聖地をきっと教えてくれるに違いない」と思った空海は、その三鈷を日本に向かって投げたそうです(^^ゞ(← この辺の無茶さが伝説臭い)その後日本に帰って来た空海が、その三鈷杵を探し求めて各地を歩きまわり、ついにその光り輝く三鈷杵がかかっていた松の木を見つけられ、その地に念願の真言密教の道場として伽藍(がらん)の建立(こんりゅう)をされました。その光り輝く三鈷のかかっていた松が御影堂の前にある「三鈷の松」なのだそうです。

三鈷(さんこ)の松

この言い伝えのせいか、ここを訪れる人は「三本の松葉」を探してお守りがわりに持って帰ります。ちょっと、四つ葉のクローバーを探すのに似ているかも知れないですね(笑)ちなみに私も探してもって来ました。結構あるもんだなぁと思いましたが…雪が降っている時はきついかも知れません。こういう所で心無い落書きとか見るとうんざりします。松の木に彫り込んだりする心無い人が居なくなる文化をきちんと確立したいな〜と切に思います。

御影堂の雪景色

  これは、雪の積もった御影堂と根本大塔です。幽玄美でしょ〜というか、冬高野山がいかに雪深くなるか見てもらえるかと思うっす。下駄とか雪駄なんて沈みます。しかも下手をすると滑ります(苦笑)ダウンコート着ていても寒くて、鈍い動きとなります。日中も氷点下のままとかあるしね。
 でもさ〜高野のお坊さんたちって、袈裟と下駄だけでサクサク歩いてるんだよね〜。鍛え方が違うんだろうなぁ。犬の散歩とか、お勤めとか雪下ろしや雪かきなど、風景になんだか馴染んでいて感動するやら、ちょっと可愛くて笑ってしまうやら(^^ゞ所詮、雪のない首都圏育ちはこういう時ダメなものですね〜(苦笑)
不動堂
不動堂

右の「不動堂」は実は高野山の木造建築物では、現存最古のものです。聞いて驚け1198年。歴史的には鳥羽院皇女八条女院の御願により建立って伝えられてる。もちろん国宝。だけど見ての通り柵もないし、見張ってる人もおらん。触り放題…まずくないのかな〜参拝者のモラルにかかってるね、全部

  雪も雨も雷も多い高野の地で、こんなにも長い間このお堂は人間のバカさかげんと、はかないすったもんだを見てきたんだね〜(しみじみ)正に鎌倉幕府が開いてから6年後。戦国時代も、僧侶が僧兵として武装して戦った時代も…戦争も飢えも疫病も天災も、全部黙ってたたずんで見ていたのかな?うーん800年以上前の木造建築がこの多雨な国、地方で残ってんだから昔の大工はすごいよね〜これこそ、ホントの「巧みの技」かな?和歌山県は日本でも雨が多い都道府県に属しているし、台風も通りやすい事もあって、余計に不思議なの。腐りもしてない事とかね(^^ゞ



こんなお店も、実はあるんですよ〜(^^ゞ

 高野町にふつ〜にある靴屋さん。
隣は本屋と文具屋さん。でもよ〜く中をみると…??
わらじや雪駄、下駄などが運動靴など、普段私たちが馴染んでいる靴よりも実は多い事に気が付きます(笑)
らしいと言えば、というか実用性を考えたらそちらの方を使用する坊様が多いのも事実なのですが…浅草とか巣鴨(おばあちゃんの銀座とか呼ばれてますが…)でだってありませんよ。(でもあっちにはモンペ屋さんとか、未だに昔ながらの割烹着とか売ってたか)

 お寺が多く、坊様の人口が、よそよりも多いのは事実なので、靴屋にはやはりこのような坊様ライク(?)な品揃えがあるのですね〜。学校指定の運動靴なんかもここで扱ってましたね〜そういうえば(^^ゞ
この他、「らしいお店」は袈裟と作務衣(さむえ)ばかりの洋服屋さんとか、筆とすずり、和紙とお香のみ扱った文房具屋さんなどが代表的かな?スーパーとかは結構普通なんですよ(^^ゞあと、薬局では必ず「大師陀羅尼錠」が売っているのが印象的でしたね〜。

 2000年に行って、ちょっとビックリしたのがこの「どんぐり共和国」なんのお店かと言うと、スタジオジブリ作品のグッツ店(宮崎駿監督の、「となりのトトロ」とか「魔女の宅急便」「もののけ姫」などのグッつが多かった…)が高野町の割と大通りに面した所に出来ていた事!

 観光客が多いとは言え、高野山にはかなり場違いな感じ…
ここに来る観光客で、ジブリ作品のものを買おうとする人がどれだけいるのか…など考えると首をひねるばかり〜(-_-;)圧倒的に、ここを参拝する人って年齢層が高いので(私のよーなのは逆に目立ちます)どうかなーと思ってしまいました。その前には無かったから、いつ出来たのやら??倉敷の美観地区なんかにも、同じようなチェーン店がありますが、あそこは修学旅行生なども多いので、そんなに場違いとは思いませんでしたが〜ハテ?

 商店街は、数珠とか位牌から仏具店のような土産物屋系が、多い高野町ですからね〜高野山で数珠とか折本な般若心経や、仏様が描いてある湯飲みとか買って帰るのは、なんとなくありがたい感じがしますが(気のせい?)トトロとかを買って帰ってもナ〜(苦笑)
 若者にもアピールする高野山!…なのでしょうか??