天と地がいっとう始めに出来たとき、高天原っつー要するに天上界には、 「天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ )」って名前のフリガナ振らないと読めないよーな えっらーい神様がいたそうな。次に「高御産巣日神(たかみむすひのかみ)」と 「神産巣日神(かみむすひのかみ)」。この三柱の神は性別もない、姿も見えないらしいけど、 とにかく一番偉い神様だと言うことみたい。 次に国が若く出来立てで、とにかく油がクラゲみたいに漂ってブワブワしてた頃、 葦(あし)の芽がグワっと萌え上がるみたいに出た神様の名前が、 「宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)」と 「天之常立神(あめのとこたちのかみ)」なんて名前の二柱で、こちらも性別なしの姿なしの 偉い神様らしい。 で、この「柱」って表記だけど、この辺の神様は人間の姿形じゃないから 数えるのにこの表現してるんで、本当の柱だとか勘違いは無しに頼みます〜。 (*注1) この五柱の神はとにかく特別 、何でも別格のえらーい神様なだそうで… 次は国之常立の神(くにのとこたち)と豊雲野の神(とよくもの)この二柱の神も 単独(性別 のない)神様ですぐに身を隠してしまったらしい。 |
この次からは男女の性別がある一対の神々が10程現れて(重要じゃないから略)、
(*注2) その最後が「伊耶那岐(いざなき)」と「伊耶那美(いざなみ)」の神だった訳。 ある時、偉い神様たちが集まってこの二神に 「オマエラでさ、この漂ってる国を整え固めて完成させちゃって」と命じて、 天の沼矛ってかき混ぜ棒を授けたんだって。で、この二神は 天の浮橋に立ってその玉飾りの矛を下ろし、ぐるぐるとかき回わして、 海水からその矛を引き上げた時、矛からしたたり落ちた海水が積もった所が 嶋となったらしい。これが淤能碁呂嶋(おのごろしま)となったって話ですヨ。 (*注3) |
嶋も出来たしって事で、この二人の神様が嶋へと天から降りてきて、 「天の御柱」と「八尋殿(やひろどの)」を見て、 その時伊耶那岐は伊耶那美にこう訊いた。 「あのさーお前の身体ってどんな感じに出来てんの?」 「えー私の身体って出来上がり過ぎてる所と、出来ってない所があんのよね〜」 「ふーん、こっちはさぁ出来上がってるけど出来すぎてる所があるんだよ。 じゃあさ、俺の出来すぎた所でお前の出来てない所を いっちょズガーンと塞いで国を産んでみよーぜぇ〜。どう?」 「うーん、そうねぇ。うんそれでいいんじゃない?私はOKよ!」 「おっしゃ!んじゃ縁起かついであの天の御柱をぐるっと回ってから、きばって まぐはひ(性交)すっか」 とか、とりあえず約束して、早速柱の周りを回り始めたらしいのですよ。 「お前は右から、俺は左から回ろ〜ぜ〜」 と決めて回り終わると、まず伊耶那美の方から 「ほんっとにもう、ラブラブ〜」 と言い、伊耶那岐が 「もー可愛くて堪らんぜコンチクショ〜」 とかそんな事を言ったらしい…(こんなんでいいのか?と言う位に唐突で率直…) んで伊耶那岐はちょっと気になって女房になった伊耶那美に 「こーゆー時って女の方から何か言うのって縁起悪りーんじゃないか?」 と言い、後にこの事を始めて、初めて生まれたのはなんと水蛭子(ヒルコ) (*注4)だった。 邪気を払うため、二人はこの水蛭子は葦船に入れてドンブラコと流して捨ててしまった。 次に生まれたのも淡嶋という泡のような柔い嶋で、これも出来そこないな為、 二人の子供としては数えない。 そんなこんなで二人は相談しに出かける事に。 「今回私達の生んだ子供は、出来そこないでよくないよね。 やっぱもっと偉い神様に訊いてみようか。」 と言うことになって、すぐ一緒にエライ神様の所に参上して今回の事を訊いてみた。 そこでエライ神様が別の神様に命じて、昔からある占いをして答えてくれた。 「求婚と子作りの際に、女の方から先に声をかけたのが良くないのじゃ〜。 ましてや女が受けにならんと巧くいかん。 (*注5) 再度嶋へ戻ってやり直してみるがよいぞ〜」 とそんなこんなで二人は嶋へと帰って来て、気を取り直し 改めて天の御柱の周りを二人でぐるりと回ってみた。 今度は言われた通り、伊耶那岐の方から声をかけて、 次に伊耶那美が答える様にしてみて子作りに励んでみた所、 生まれたのは淡道之穂之狭別 の嶋(淡路島)、伊予之二名の嶋(四国)。 この嶋は1つの身体に4つの顔があった。(4つともきちんと別の名前が付いている) 次に隠岐の三つ子(隠岐の島は本当は4つの島なんだけど、ここでは一番小さいのを数えないらしい) そして次に筑紫の嶋を生んだ。(九州)この嶋も1つの身体に4つの顔があったそうだ。 この4つの顔にももちろん名前があって、 全て「別(わけ、と読む)」が付いているのが特徴だそうな。 (*注6) (人格まで有ったかどうかは判らない・・・いや嶋だし) 次には伊岐の嶋、津嶋、佐渡の嶋、大倭豊秋津嶋を生んだ。 要するに、これで八嶋生んだので「大八嶋国(おほやしまくに)」と呼ぶ訳さ。 次には、吉備の児島から天の両屋の嶋まで合わせて6つの嶋を生んだ。 (*注7) |
次には住居関係の神、海(大綿津見)と水門(みなと)の神「速秋津日子の神」、 「妹速秋津比売の神」を生んだ。この二人の神は、河と海とに依拠して場所を分担管理。 伊耶那岐・伊耶那美が生んだのは、「沫那芸」「沫那美」を初めとする水神で 祭儀に関係する神様たちだ。 (*注8) 次には風の神「志那都比子」、木の神「九々能智」、山の神「大山津見」、 野の神「鹿屋野比売」という4神だ。また伊耶那岐・伊耶那美が生んだのは山頂、 原野、霧、峡谷、迷路の神を生んだ。 (*注9) 次に生んだのが「鳥之石楠船」の神、又の名を「天の鳥船」。次に「大宜都比売」の神を生んだ。 こちらは船や食物の神様でかなり文化的な神様だったらしい。 そして次に「火之夜芸速男」の神。又の名を「火之迦具土(ひのかぐつち)」。 (*注10) この火の神様を生んだ為に、伊耶那美はほと(女陰)に大やけどして モーレツダウン。 寝込んでしまった。 なんせ火そのものを生んだようなものなのだから、いくら多産で丈夫な伊耶那美でも ただでは済まなかったらしい。だが、伊耶那美は病気になってもやっぱり多産でさ、 うえ〜っと吐いた嘔吐物から成った神は冶金の神々。 次に糞より成った神は粘土の神、そして尿から成った神は 水の比売神と食物の神「豊宇気比売」が生まれた。 以上の神を生んだ所で、産後の肥立ちが悪かった伊耶那美の神は とうとう黄泉の国へと旅立ってしまった。 (*注11) |